Daichiも力説!プロが教えるボイパとビートボックスの違い

This is written about the difference between voice percussion and beatbox.

あなたは、ボイスパーカッション(以下ボイパ)とビートボックスの違いを知っていますか?

PentatonixやLittle Glee Monsterなどのアカペラグループの活躍により、以前にも増してアカペラの認知度が上がっています。また、日本のYouTuberであるHIKAKINやDaichiの動画を見て、ビートボックス始める人もまた増えています。

一方で、ボイパとビートボックスを混同する人もまたしばしば見受けられます。アカペラ経験者の場合、アカペラのパーカッションはボイパ、個人でのパフォーマンスはビートボックス、と分けているかもしれません。

実は、ビートボックスはボイパの派生と言われています。しかし、海外ではVoice Percussion(ボイスパーカッション)と言う単語が存在しません。

このページでは、音楽背景とプロのビートボクサーの意見から、ボイパとビートボックスの違いについて紹介します。

ボイパはドラムを真似する演奏手法

ボイパとは、口や声、唇などを使ってドラムなどの打楽器を真似する演奏手法です。日本ではボイスパーカッションと呼ばれますが、海外ではVocal Percussion(ボーカルパーカッション)と呼ばれています。

ボーカルパーカッションと似たような技術は、19世紀のアメリカ音楽で取り入れられました。そして、ボーカルパーカッションが人々に知れ渡るのは1960年代のこと。

”Pow R. Toc H” – Pink Floyd(1967)

”That Would Be Something” – Paul McCartney(1969)

これらは、ボーカルパーカッションを取り入れた楽曲です。また、Michael Jacksonも”Billie Jean”にボーカルパーカッションを取り入れています。

ビートボックスはヒップホップ生まれ

Human Beatbox(ヒューマンビートボックス)は、ドラムマシーンの真似事から生まれました。起源は、1980年代のヒップホップです。

ビートボックスの開拓者であるDoug E. Freshは、”human beatbox”という楽曲を発表したことを皮切りに、多くのビートボックスが誕生しました。そして、彼らが技術を発展させ、スクラッチやターンテーブルテクニックなどをつくったのです。

2000年代、インターネットの普及に伴い、ビートボックスのコミュニティが設立したり、世界大会が開催されたりしました。同時に、ビートボックスがポップスに逆輸入されます。この影響を受け、2000年前後にアカペラにもビートボックスが取り入れられるようになったのです。

ボイパの名付け親はRAG FAIRのおっくん


ボイパが日本で認知されたのは、RAG FAIRの奥村政佳ことおっくんが、ボイスパーカッションのことをボイパと呼び始めてからです。RAG FAIRの活躍もあり、アカペラのパーカッションはボイパという認識が定着したのです。

HIKAKINやDaichiの活躍で日本にもビートボックスが浸透


ボイパが知れ渡るのと同時に、ビートボックスも広まります。AFRAやDaichi、HIKAKINやTATSUYAなどのビートボクサーが、国内におけるビートボックスの浸透に貢献しています。

音楽背景から見ると、ボイパとビートボックスはきちんと住み分けされています。しかし、冒頭でも書いたように、ボイパとビートボックスが間違われることが少なくありません。

この原因のひとつは、フジテレビ系列のバラエティ番組ハモネプ内で行われた企画「ボイパリーグ」にあります。厳密に言うとビートボックスのパフォーマンスであるものの、企画名にボイパとあるため、口や声を使ってドラムを真似する演奏はボイパである、という認識が広まってしまいました。

細かく定義すると、アカペラでのパーカッションはボイスパーカッションまたはボーカルパーカッション、ドラムマシーンを模倣するパフォーマンスをビートボックスと呼ぶのが適しているでしょう。

しかし、ボイスパーカッションと表現するのは日本だけです。先ほども書いたように、海外ではアカペラのパーカッションもビートボックスという表現が定着しています。

音楽は、常に変化するものです。以前は違うものとして扱われていましたが、今はその違いにこだわる必要もないと感じます。

プロが教えるボイパとビートボックスの違い

音楽背景のほかにプロの意見もまた、違いを知るうえで重要な情報です。ここでは、日本のビートボクサーとしてはおなじみDaichiと海外のビートボクサーLee Giblingが、それぞれボイパとビートボックスの違いについて意見を述べています。

ボイパもビートボックスも一緒

上の動画は、Daichiがボイパとビートボックスの違いについて解説したものです。これらの違いをまとめたものがこちら。

ビートボックス
  • ヒップホップ生まれ
  • ひとりで演奏することが多い
  • パフォーマンス寄り
ボイパ
  • アカペラ生まれ
  • 複数人で演奏することが多い
  • 音楽寄り

また、ボイパはドラムの立ち位置であるため、セッションやアンサンブルに適しているとのこと。

やはり、ボイパとビートボックスは犬猿の仲でもあるそうですね。しかしながら、Daichiから言わせると、どちらも口を使っている時点で同じもの。互いの垣根を越えて、新しい表現ができるよう試行錯誤しているそうです。

ボイパとビートボックスには明確な違いがある

イギリスのビートボクサーLee Giblingも、これらの違いについて意見を述べています。彼曰く、これらには明確な違いがあるとのこと。以下に彼の意見をまとめます。

現在、口でドラムなどのような音を出す手法は、Human Beatbox(ヒューマンビートボックス)とVocal Percussion(ボーカルパーカッション)のふたつの表現しか存在しません。Vocal Percussionistは、可能な限りドラムの音を正確に再現することを目指しています。一方、Beatboxerは、Vocal Percussionistに音色は劣るものの、数多くの音を持っています。加えて、可能な限り速くビートに適応するよう試みています。

Vocal Percussionistは、アカペラのパートのひとつとして、ドラム以上の音をめったに必要としません。彼らは、音楽背景や音楽理論に詳しく、ドラムを含めた楽器にも精通しています。彼らの知識と技術がVocal Percussionに集まっているのです。

また、彼らはパフォーマンスの間、エアドラムのように音と動作を結びつけています。そのため、楽器を用いたバンドのように、アカペラグループの中でも彼らは鍵となる存在なのです。

Beatboxerは、若い世代に多く、パーカーやNIKEのトレーナーを着て、自身の技術を見せびらかす傾向があります。彼らは、Vocal Percussionistのようにジャズに合わせてパフォーマンスをするつもりはありません。逆もしかりで、Vocal Percussionistは、BeatboxerのようにDrum’n’bassやHip-Hopに合わせるつもりはありません。

Drum’n’bass(Drum and bass)とは、電子音楽のジャンルのひとつ。BPMが160以上であり、高速で複雑なシンコペーションを用いたブレイクビーツサウンドにキックとベースを強調した重低音が特徴。

多くのBeatboxerは、BeatboxとVocal Percussionは同じもの、またはBeatboxはVocal Percussionの派生であると主張します。この主張のように、Konnakolと呼ばれるインドの発祥の演奏手法もVocal Percussionとされています。

このように、BeatboxはVocal Percussionと明確に区別されており、Beatboxと言えばHip-Hopが背景にあると結び付けられているのです。

Konnakolとは、南インドの古典音楽”カルナータカ音楽”において、パーカッションの音節を声で表し、それを復唱して記憶し演奏する技術のこと。複雑なリズムも、音として耳から学び、師から弟子へと継承されてゆく。

参考:Lee Gibling | Beatboxing Vs. Vocal Percussion – Whats the Difference?

Vocal Percussionの歴史

ブルースが黒人奴隷からもたらされたとき、手を楽器として使うことは、ふつうではなかった。ミュージシャンたちは、自身の体や声を使い、よく即興していた。手拍子はドラムになり、低い鼻歌はベースになった。このふたつが、ブルースやジャズの根幹である。

ひとりが鼻歌を歌い、ひとりが手拍子をする。ひとりがものを叩いてドラムをし、ひとりが歌う。これは、やがてスネアドラムハイハットのような音に発展した。彼らは、声に他ならない音楽をつくるひとつの方法を見つけたのだ。

ブルースは、ますます音楽の主流になり、スキャットを歌うことやベースをハミングすることが知れ渡った。高音を出せる歌手は、トランペットのソロを模倣して歌った。

すぐに、Vocal Percussionは、都市文化やストリート文化の重要な役割になったのである。貧しいアーティストたちは、路上を放浪したり、街角に集まってはジャズホールの外でトランペットやサックスの真似をしたりした。

参考:Humanbeatbox.com

まとめ

音楽背景から、ビートボックスはボイスパーカッションの派生であることがわかります。これらの違いを簡単にまとめると、

  • ボイスパーカッション(ボイパ):アカペラでのパーカッション
  • ビートボックス:ドラムマシーンを模倣するパフォーマンス

と言えるでしょう。

しかし、今やこれらは、互いの垣根を越えてさらに進化しています。明確な違いはあるものの、それにこだわる必要はありません。時として、そのこだわりが音楽を追求するうえで障害になる可能性もあります。

音楽の多様性としてボイパとビートボックスの違いを受け入れつつ、あくまで知識のひとつとして留めておきましょう。

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